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別居中の婚姻費用分担請求|金額の決め方や請求方法は?

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別居中の婚姻費用分担請求|金額の決め方や請求方法は?

婚姻中の夫婦は、結婚生活を続けるために必要な費用を分担します(民法760条)。この費用を「婚姻費用」といい、婚姻関係にある限り、婚姻費用の分担は夫婦の扶助義務です。たとえ離婚を前提として別居中であっても、どちらかが専業主婦(夫)やパートタイマー等で収入がすくなければ、多くの場合、収入の多い方に婚姻費用を請求できます。同居中に生活費を渡してくれないような場合も、請求することができます。

婚姻費用に含まれる内容には次のものが挙げられます。
・交際費・娯楽費
・未成熟子の生活費
・医療費
・衣食住にかかる費用


■婚姻費用の定め方
婚姻費用の額や支払方法は、基本的にまず夫婦の話し合いで決めます。お互いの収入や財産、自分や子どもの生活費・教育費などを考慮して協議を行います。協議が成立しない場合は、家庭裁判所の調停を申し立て、調停委員会という第三者の介入のもと双方の合意を目指します。調停でも解決できない場合は、さらに審判に移行して金額や支払方法が決定されます。

家庭裁判所では、夫婦の収入や養育する子どもの人数など、実情に応じた「婚姻費用の算定表」を作成しており、実務で広く使われています。ただし、算定表はあくまで目安であり、最終的な金額はさまざまな事情を考慮して判断されます。すべてのケースで算定表通りの金額が認められるわけではありませんので、注意しましょう。


■請求する際のポイント
●請求内容は「内容証明郵便」で証拠化する
婚姻費用の請求にあたっては、可能な限り別居前に婚姻費用の必要性を話し合いましょう。直接の会話が難しければ、メールや郵便などの文書で通知し、日時、金額、理由を記します。このとき、「内容証明郵便」を使うことで、相手方に送った文書を証拠として残すことができ、審判の際に役立つことがあります。特に実務上、婚姻費用は相手方に請求した時点から発生したことが認められるため(東京高決昭和60年12月26日判時1180号60頁など)、請求した時期がわかる証拠が重要になります。

●調停・審判中の生活の困窮を防ぐ
調停の申し立てから審判までは、数か月かかることがあります。この間に生活が困窮しないよう、調停の申し立てと併せて「調停前の処分」や「審判前の保全処分」を申し立てておくことをおすすめします。申立てにより婚姻費用の必要性が認められれば、相手方に仮払いを命じることができます。「審判前の保全処分」の場合、調停前の処分とは異なり、強制力があります。相手方が家庭裁判所の命令に応じなければ、給与などを差し押さえる強制執行を申し立てることができます。

伊藤寛法律事務所では、大阪枚方市を中心に、大阪府・京都府で法律相談を行っています。婚姻費用分担請求など離婚問題でお困りの方はお気軽にご相談ください。

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