遺留分制度とは、相続の場合に、被相続人が相続人のために必ず相続財産の一定部分を保障する制度をいいます。
■遺留分権利者
遺留分権利のある人は、兄弟姉妹以外の相続人です。(民法1028条)
■遺留分の計算対象
遺留分の計算の対象になる財産は、以下の通りです。
①相続開始のときに有していた財産(民法1029条)
遺贈(民法954条)や死因贈与(民法554条)された財産もこれに含まれます。
②1030条に定める贈与
相続開始の1年前になされた生前贈与と、当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知ってした贈与をいいます。
この贈与は、相続人に対してされた贈与に限られません。
また、特別受益として贈与した財産の価格を遺留分算定の基礎となる財産に加える場合には、それが金銭である場合には、相続開始の時の貨幣価値に換算した価格をもって評価します。
■遺留分減殺請求権
遺留分を侵害する部分については、その減殺を請求することができます。
遺留分減殺請求権は、原則として受遺者・受贈者に対してすることができます。
例外として、遺留分の侵害について悪意(すでに知っていた)の特定承継人や権利設定者に対しても行使することができます。
遺留分減殺請求権できる人が複数いる場合、共同で遺留分減殺請求権を行使する必要はなく、各自でそれぞれの遺留分侵害額を保全するに必要な限りで減殺請求をすることができます。
■遺留分の時効
遺留分減殺請求権は、遺留分権利者が、遺留分を侵害し減殺できる贈与や遺贈があった時から1年間以内に行使しないときは、時効によって消滅します。(民法1042条)
■遺留分の放棄
相続の開始前に遺留分を放棄することは原則できません。
例外として、家庭裁判所の許可がある場合にのみその効力が生じます。(民法1043条)
伊藤寛法律事務所は、枚方市、交野市、寝屋川市、八幡市を中心に、大阪府、京都府などで、遺言書作成、遺産分割、相続財産調査、相続放棄、遺留分減殺請求など、様々な相続問題全般について法律相談を承っております。
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