相続放棄とは、民法の方式にしたがってなされる、相続財産を一切承継しない旨の意思表示のことをいいます。(民法938条)
■相続放棄の方法
相続放棄をするには、家庭裁判所での申述が必要です。(民法924条・民法938条)
申述は、自己のための相続開始を知った時から、原則として3ヶ月以内にしなければなりません。(民法915条1項)
この期限のことを熟慮期間といいます。
正式に相続放棄するためには、これらの方式に従わなければなりません。
■相続放棄の効果
他の相続人の相続分は、放棄者が初めからいなかったものとして算定されます。この効果を遡及効といいます。(民法939条)
この相続放棄は、代襲原因にはなりません。(民法887条)
■相続放棄と第三者
相続放棄の効力は絶対的に考えられています。
相続放棄をする際には、前述の通り3ケ月以内に家庭裁判所に申述しなければならないという厳しい制約があります。そのため、第三者は比較的容易に相続放棄の有無を確認でき、不測の損害を被るおそれが少ないといえます。
そのため、相続放棄によって財産を得た共同相続人は、その登記なくして、第三者に対抗できると考えられています。
また、詐害行為取消権(民法424条)などの対象にもなりません。
■相続放棄者の義務
相続放棄した者では、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることが出来るまで、自己の財産におけるのと同一の注意を持って、その財産の管理の継続をしなければなりません。(民法940条)
伊藤寛法律事務所は、枚方市、交野市、寝屋川市、八幡市を中心に、大阪府、京都府などで、遺言書作成、遺産分割、相続財産調査、相続放棄、遺留分減殺請求など、様々な相続問題全般について法律相談を承っております。
相続問題についてお悩みの際はお気軽に当事務所までご相談下さい。
相続放棄
伊藤寛法律事務所が提供する基礎知識
-
調停離婚
協議離婚が成立しなかった場合、訴訟を提起する前に、家庭裁判所で離婚の調停をすることになります。この調停...
-
特別縁故者の財産分与請求等
相続人がいない場合、相続財産を国庫に帰属させるよりも、内縁の夫あるいは妻や事実上の養子のように、法律上...
-
遺留分請求
遺留分制度とは、相続の場合に、被相続人が相続人のために必ず相続財産の一定部分を保障する制度をいいます。...
-
個人再生手続きの流れ
個人再生手続を利用する場合、まずはその旨を管轄の地方裁判所に申し立てる必要があります。住宅ローンなどを...
-
住宅ローン
■住宅ローンの負担 住宅は夫婦の共有財産とされるので、財産分与の対象となります。一方、住宅ローンは金融...
-
奨学金の返済ができずに...
収入減少や失業、傷病などの事情で、奨学金の返還が困難になった場合、自己破産を検討する方は少なくありませ...
-
面会交流権
離婚後、親権者にならなかった方が、子どもと一緒にいたり、一緒に時間を過ごしたりすることを面会交流といい...
-
離婚の種類と手続き
離婚には、協議離婚・調停離婚・裁判離婚の3つがあります。 まずは、協議離婚を検討します。協議離婚で合...
-
任意整理と債務整理の違い
「借金返済に困った場合は債務整理だ」という情報がインターネット上には多く流布されています。しかし、中に...